Chill MUSICA

Chill MUSICA / うた / 信号待ち

信号待ち

かえるの声で時間を計る場所で育った 夏は一種類しかなくて みんな同じ色に焼けた じいちゃんの軽トラの助手席が世界の端で あぜ道の向こうは 地図にも載らない国だった誰の家の夕飯かわかる風が吹く それが 安心で それが 息苦しかった 名前を呼ばれる前に 用件が決まってる町 ぼくの明日を 誰かがもう知っている
逃げたかったのか 帰りたかったのか たぶん 両方
まだここにいるよ まだここにいるよ どこに行っても 誰の家の夕飯かもわからない風の中 ぼくの名前を 誰も呼ばないコンクリートの隙間に根を張る草を見て なぜか あぜ道を思い出した 強いから生えてるんじゃない そこしか なかっただけだ
ここにいたいのか 戻りたいのか たぶん 両方
まだここにいるよ まだここにいるよ どこに行っても まだここにいるよ
盆に帰ると 背丈が余る 同級生がみんな 大人の顔をしてた 「変わらないね」と言われるたび 変わってしまった場所が増えていくははのつけものの重さだけが どの季節も同じだった
まだここにいるよ まだここにいるよ 目を閉じれば聞こえる かえるの声がする
まだここにいるよ ポケットの中に まだここにいるよ どこにも行かないよ