Chill MUSICA

Chill MUSICA / うた / 曖昧に愛した日々

曖昧に愛した日々

曖昧に愛した日々 いとおしむすべも知らず
終電の窓に映る顔が 知らない人みたい 日雇いの手にしみた洗剤 落ちないまま朝が来る 雪深い町を捨てて ふたり転がり込んだ 六畳にギターケースと 夢のかたち
あのひとの寝息を聴く それだけでよかった 天井のしみを数えて 名前をつけていた夜 じゃぐちのしずくがきざむひょうしに いつのまにか眠っていた
曖昧に愛した日々 たぐり寄せるすべも知らず 曖昧に愛した日々 ただの路線図になった
「向かうね」と打った指で 「さらば」とつづり直す 郵便受けにかぎをひとつ 音もなく沈めたことづてのように 缶コーヒーのぬくもりが 朝にはもう冷めていて それが答えだった
うつつとも夢ともつかぬまま 季節だけが正直にめぐる 持ちきれぬ荷を降ろせずに 佇んでいたんだ
曖昧に愛した日々 たぐり寄せるすべも知らず 曖昧に愛した日々 ただの路線図になった
あの交差点で見つけた横顔 なぜだろう 泣きそうになった はじめましての距離なのに もう帰ってきたような 肩にふれた風が ぬるくて ああ 春だと思った あなたが名を呼ぶたびに ここにいていいと思えた
曖昧でよかった かたちにしたら 壊れてしまうから 曖昧でよかった 名前をつけたら 終わってしまうから路線図をはみ出して 知らない駅で降りよう 切符はなくてもいい あなたがいれば 地図になる 曖昧に愛した日々 たぐり寄せるすべも知らず 曖昧に愛した日々 ただの路線図になった
見知らぬ街へ どうぞよしなに 見知らぬ明日へ どうぞよしなに